1106.アルブミン
2024.02.22
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
アルブミン(Alb)は100以上あるタンパク質の内、血液中のタンパク質の60%を占めると言われているタンパク質の一種です。585のアミノ酸残基からなり、分子量は66.5kDa(キロダルトン)もある、大変大きな分子と言えます。人間の肝臓では体重1kg当たり、100~200mg合成され、70kgの成人で15gほど合成されます。その量は肝臓が日々産生するタンパク質の25%、分泌される量の50%に相当しています。
人間の正常値は3.9g/dL以上とされています。
呼吸器科で修行していたことがあるのですが、Alb<3.2g/dLの方が重症肺炎になると、歩いて帰れないか1年以内に死ぬ確率が高いということが言われていたことがありました。
アルブミン点滴というのもあるにはあるのですが、非常に高価な上に、効果は限定的であり、実用性は「ないよりまし」程度を出ません。それだけ、自分の口から食べ物を摂取して、腸で吸収し、肝臓に回す、ということが、生きていく上でもとても大切になると言うことです。中心静脈栄養と言って、肩や首から太い点滴を刺すこともありますが、いかに栄養バランスを考慮して点滴をした所で自分でタンパク合成するためには食べる行為が必要なわけです。
絶食していた知人が食べられそうだと噂に聞き、アルブミンやタンパク合成が進んで、回復していけば良いなぁと祈るような気持ちで過ごしています。