1017.大丈夫?
2023.11.26
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
人が転んだりすると、大丈夫ですか?
なんて聞いてしまいます。まあ、これはありと思いますが、日常生活とかメンタルヘルスに於いて、大丈夫?という言葉はどう響いているでしょうか。
そもそも、人様から大丈夫?と聞かれた際に、帰せる言葉は、「大丈夫。」一択じゃないでしょうか。
大丈夫じゃない場合は、「・・・」という無回答などがあり、これは気を失っているなり発語が難しくなっている状態だからです。「大丈夫じゃない」と正直に言える人はよほど冷静か、本当に大丈夫じゃないです。ダイジョウバナイなんて、活用させて答える方もいます。でも、よほど信頼関係があるとか逆に空気を読まずに回答するのが平気でないと大丈夫ではないと答えることは少しハードルが高そうです。
つまり、大丈夫?と言う質問は、発すること自体、10中8,9、「大丈夫」という回答を期待していることになります。一時救命BLSでは、「どうされましたか?大丈夫ですか?」と聞くのですが、訓練のお人形さんがしゃべるわけもなく、「意識がありません」と次の指示に入ります。ここで人形から大丈夫と回答があればそれこそホラーですし、救命訓練になりません。
ミルトン・エリクソンも怪我をした子に大丈夫?とは聞かなかったと言います。
そういうこともあり、急を要する場合じゃなければ私はなるべく大丈夫?と言う質問は控えています。
どうされましたか?とかオープンクエスチョンで聞く方が、ちょっと調子悪くてとか、大事ないけどすっきりしない、とか微妙な不調も言いやすくなるからです。
家族や友人にも「大丈夫?」と聞くのがもし癖になっておられる方がありましたら、一度見直して頂いてはいかがでしょう。