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975.バセドウ病

2023.10.14

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 バセドウ病は、若い女性に多い疾患で、男女比は1:3~5と言われています。自己免疫疾患の一つで、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンTSHを受け取る側の、甲状腺にあるTSH受容体に対する抗体が誤って生産されてしまうことによって起きる病気です。TSH受容体というのは甲状腺の中の、甲状腺濾胞細胞にあります。ここが誤った抗体で刺激され続けると、甲状腺ホルモンが過剰に産生されてしまいます。
 なぜ、このような自己抗体が出来てしまうのか、学会でもはっきりとした原因は分かっていないようですが、バセドウ病になりやすい体質の人(家族歴があるなど)が、妊娠・出産や強いストレスを感じると起こりやすいと言われています。
 親兄弟など血縁者にバセドウ病の人がいた場合、一般人口に比べて20倍から40倍、バセドウ病になりやすいと言われています。

 甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、イライラしやすくなります。イライラだけにとどまらず、それが高じて、不穏になり、精神病になる人もあります。喫煙の影響も大きいため禁煙が推奨されています。

 心身医学会などでも、甲状腺機能低下症とうつ病の関係やバセドウ病との関係、また、副腎皮質機能低下症などが潜在している可能性が再三指摘されています。

 当院でも、そのようなアップデートを受けて、積極的に初回に甲状腺機能や副腎皮質機能の測定を行っています。患者さんの中には「悩みや話を聞いてもらうつもりで来たのに採血をするのですか?」と疑問をお持ちになる方もあるようですが、きちんと採血で調べた結果、内分泌内科にコンサルテーションするに至った症例が結構多く存在しています。

 心身医学では気のせいにするのは最後の方と言われており、ストレスやストレス対処法をご教示する仕事ではあるのですが、やはりきちんと採血をして、バセドウ病やその他甲状腺機能や副腎皮質機能の異常を最初に除外しておくことが非常に重要だと考えております。ご理解を頂けますと幸いです。

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