923.嫉妬
2023.08.24
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
嫉妬という感情は誰にもある普遍的な感情でありながら、自身で気づくことが結構困難だったり、多少気づいても認めることが難しかったり、向き合うことから逃げてしまいたくなることもあり、なかなか難しい感情なのではないかと思います。
十七世名人である谷川浩司さんも、男の嫉妬の方が難しいと述べています。
同世代に切磋琢磨する人物もおらず、高速の寄せで名人になったかと思いきや後に99冠を制する羽生善治九段(現・将棋連盟会長)のすさまじい快進撃と、自分が7冠目を奪われるという憂き目に遭うなど、一流棋士であっても嫉妬するほどの後輩がいるようです。
愛する人の浮気相手だったり、自分より優れた才能を持つ人、自分より高い地位にある人、財産のある人、知名度のある人、など色んな人を対象に嫉妬の気持ちというものが発生しやすいでしょう。比較し、羨み、妬み、陰性な攻撃的感情を向けることになるのだと思います。
まだ素直に、ああ、私はその人が羨ましいのだ、とか、その人に嫉妬しているのだ、と認められれば、まだ力の抜けようがあり、いつか追いつき、越えていけるものなのであれば努力を続けることになりますが、そうは言っても限度があるわけで、99冠なんて藤井聡太竜王名人以外は到底口にすることもはばかられるでしょうから、圧倒的に叶わない相手への嫉妬や羨望が生じた時も、非生産的にならないようにコントロールする必要があるでしょう。
嫉妬から抜け出すには、比較を止め、そこへの執着を手放すのが一番ですが、自分の配偶者や婚約者など、本来自分が一位であるべきポジションの嫉妬は少々難しいかもしれません。浮気を許さないのであれば配偶者や婚約者ごと手放すことになるでしょうから、権利や財産の話が面倒になります。しかし、それ以外のケースであれば、執着からの囚われを手放し、今できていることを認め、一つ一つ努力し、自分が克服すべき課題に集中することになりましょう。
その辺の整理が上手く行かないとお感じであれば、ご相談頂ければと思います。