863.SDLP
2023.06.25
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
自動車を運転する場合は、飲酒運転はもってのほかですが、変性意識や体調不良を伴わないことが大切になります。抗アレルギー剤、降圧薬などにも添付文書上運転不可のものがありますが、抗うつ薬や向精神薬のほとんどが日本の基準を厳密に適用すると運転不可となります。しかし、法律の条文には、どういう病気のどのような状態が厳罰の対象とすると言う風には明文化されておらず、現場の判断に丸投げされているのが実情ですし、医師に注意されても自己責任の範囲で、既にハンドルを握っている人も実際問題結構おられます。
学会でもその辺は熱心に取り組んでいるようです。
運転の指標にはSDLP(横揺れの標準偏差)、やBRT(急ブレーキ反応時間)など様々な指標があるのですが、薬物の影響を受けていると判断される指標がSDLPのようです。
この辺は名古屋大学や産業医大などが積極的に研究を進めています。その一部の結果はこちら。
私も学会のガイドラインを精読しながら、自己の内容、生活の質の低下がないよう、患者さんとご相談しながら、現実的な妥協点を模索している所です。
今回の学会でも大変勉強になったので、また、実臨床に反映出来るよう務めて参ります。