813.他人は変えられない、と思っておく
2023.05.06
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
他人というのは、通常の定義では親族は除いて考えるわけですが、本稿に限っては、自分以外の人物を、親兄弟も含めて他人と仮に定義しておこうと思います。
心療内科に来てご相談を頂く場合、家族の無理解、というものは増悪因子として割と頻繁に伺います。
さて、無理解があった時、どうしたらよいのかということになります。
もちろん、医師や心理士から詳しく説明してくれれば分かると思うので、話して下さい、という要請があれば、医療機関としてこれに応じています。聞く気がある方、理解力がある方がいらして頂く分には問題はありません。しかし、そうなることは実際問題は稀なことが多いです。
無理解ゆえに、家族が心療内科や精神科に通う行為自体を否定したり、そもそも、通院していることを家族に切り出せない状態だったりすると介入自体が大変です。
中には、そういうご家族を変える方法がないかという風にもご相談頂くことがありますが、家族や他人を変えようというのはだいたいセラピーの方略として上手く行かないものです。要は他人は変えられないと思っておくことが大事なのです。
もし、変えることが出来るのであれば、それは自分が先に変わり、相手に対する影響力の行使の仕方が変わった時です。つまり、相手を変える良い方法は自分が先に変わることなのです。そして、そうやって起こる変化は、あまり沢山の量ではないと考えられます。
ですので、他人は変えられないと常々自覚し、変えられるのは自分自身と腹を決めて頂くことが重要です。
その覚悟が決まれば、後は、状況に応じて具体的な落とし所を私共とご相談させて頂くことになるのではないかと思っています。