706.聞かれたことに答えられるか
2023.01.11
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
色んな関係が上手く行っていない、というご相談は当院のようなクリニックですと毎日のようにあります。
その中で、もちろん、相手方が意地が悪いとかひねくれているという案件もありますが、それについては今回は触れません。
大変な思いをしてきた、とか、思い入れが沢山ある、など、色んな理由はあれども、ご相談頂く方の中には、質問した内容にストレートに答えられない人がいます。
治療の目的や目標を定めようと質問をした時に、そもそもその話はAさんが・・・と原初の理由を述べ始めたり、不幸な生い立ち故に人を信じることが出来ず・・・、と壮大な背景を話し始めたりすると、どうしたいの?という質問がぼやけるばかりかどんどん焦点がぼやけて行ってしまいます。そういう場合は、どう簡単にまとめて良いか分からない、くらいのことが言えれば良いのですが・・・。
もちろん、当院のスタッフは、医師も心理師もトレーニングしていますので、お話が迂遠になったとしても、それなりに焦点化するなど質問の技術を駆使してお話を伺うことが出来ますので、お客様の話し方が悪い、という風には申しません。しかし、聞き手が上司や同僚、後輩等、あなたのお話が迂遠な時に、辛抱して聞く義務を負っていない人だったらその話し方はいかがでしょう?
疑心暗鬼になってしまうと、質問に質問で返してしまったり、その質問には深い意図があるのか?と考え込んでしまうこともあるかもしれません。このような時、最も最適な解は、奇をてらわず、等身大で自分の実力通りに、聞かれたことにシンプルに答えること、ではないでしょうか。分からない、上手く答えられない、という回答も含めて、聞かれたことにまず答えること。それは、出来ている人には造作ないことなのですが、上手く出来ない人には結構盲点になっています。
はい、いいえ、で答えられることには、はい、いいえ、で答える。
単語やフレーズでの答えを求められている場合はまずそれを答える。
分からない時は素直に分からない、上手く答えられないと告げる。
単純なことですが、答えについて難癖を付けられるなど、虐待的な扱いを受けた人には、難しく感じることもあるようです。心の傷については、また別途、診療で癒して差し上げて参りますが、聞かれたことにシンプルに答える、という単純なことを私達は忘れがちなのかもしれません。