447.報恩感
2022.04.27
447.報恩感
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。
心療内科の治療法の一つに内観療法というのがあります。
一日中白い壁に向かって、親なら親に、お世話になったこと、世話をして返したこと、迷惑を掛けたことの3点に絞って想起し、1~2時間毎に、3~5分、治療者の面接を受ける、というものです。
その対象者は親・子・配偶者などになることがありますが、色々あるようです。
本格的な内観療法は実際に施行したことも、自ら研修として体験したこともありませんが、師匠の久保千春先生は内観医学会の理事長をされ、また若手の中でも病棟で内観療法をされる先生がいると聞きます。
内観が進むと、自分が実は愛されていたという被愛感が出てきたり、お世話になったご恩についての報恩感が出ると言われているようです。
仏教では仏の恩に報いる集まりのことを報恩講と言います。
何一つ当たり前のことはなく、して頂いたことを当たり前と傲然としていた自分に気づき、治療者に言われたからではなく、自らの内側から報恩感が出て来る時、内観療法には意味があったと考えるようです。
クリニックに於いては、徹底内観をするような時間は取れないのですが、面接の端々にそのような振り返りをすることがあります。自分にとっての報恩感って誰にどんな気持ちを感じるのだろう?と考えた時、危うさや専門家の助言が必要な時は、ご相談頂ければと思います。