363.思いを表現する
2022.02.02
363.思いを表現する
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。
先日、心身医学地方会に参加して勉強してきました。最前線でご活躍の先生方から、貴重な情報を頂きました。
インフォームドコンセントという言葉があります。
説明と同意なのですが、もっと以前はムンテラと言われていました。ムントテラピーで、口頭での治療、つまり、治療に対する説明ということだったようですが、インフォームドコンセントは更に進んで、十分な説明と同意と言うことになります。
ところが、コロナ禍で面会制限などがありますと、家族でそれを話し合って意見交換することも難しいようです。また、インフォームドコンセントに関しても、もちろん身体系の医師も一生懸命やっているようなのですが、「同意を取るための」説明になっているのではないか、という指摘がありました。同意は取れても、患者さん側に、十分考えるだけの時間や情報が提供されているのか、家族と十分な検討が出来たのか、矛盾する思いも含めて、気持ちの面で寄り添えているのかなど、鋭く深いご指摘がありました。
精神科ではオープンダイアローグなども出てきていますが、対話や情報共有、意志決定のプロセスは年々尊重されるべき傾向にありますが、当事者の方にとって見るとまだまだ十分とは言えないようです。
メンタルヘルスの世界では、思いを全面的に肯定しさえすれば解決するわけではなく、相手を許せないとか処罰したい、という思いがあっても、思いの強さに関しては、理解しつつ、コーピングはより適切になるように話し合っていくこともあります。しかし、軌道修正が望ましい場合においても一旦、理解された、伝わっている、という感じから協働を始めて行くのが望ましいでしょう。
ご相談頂いた時に、思いが医師や援助者に十分表現されているか、そういうことに関しても高い関心を持って進めていく必要があるのだなと思いました。引き続き研鑽を積みたいと思います。