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1071.代診

2024.01.19

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 引っ越しされるので紹介しようと思って、他院の診療形態を検索してみたことがあります。
 土曜日もやっているという親切なスタンスの上、アルバイトの医師を複数名雇っている所がありました。
 なるほど!そうやれば自分が休めるのか!と思いました。

 別にそういう診療スタンスを批判するわけではありませんし、開業して一国一城の主になるって言うのは、自分の生活の質を高めること、要するに医師でも従業員として雇えば自分は事業主として、家庭を顧みる時間を捻出したり出来ますし、それはそれで、家庭を大切にしたり、趣味に没頭したりする余裕を生むわけですからきっと良いことなのでしょう。

 個人的には、全くそういう発想はなかったので新鮮でした。当院の待合室は何と狭くて5席+1(補助椅子)くらいしかなく、家族総出でお越しになったりした時に数名お待ちの患者さんがおられますと溢れます。それでもお待たせしないようにしているつもりなのですが。

 従業員医師を雇う発想と、私の発想とどう違うかと言えば、松原の場合は、催眠療法やブリーフセラピーなどが技術としてあり、病歴を単に聴取するだけでなく、変化への一歩を提供していくと言うことにあります。難治性の方は2年以上通って下さる方も時にはおられますが、ほとんどの方は2回目以降は初回より良いですと仰います。これって、とても幸せなことだと思っていますし、逆に、アルバイトの医師にお願いしてこの質を担保出来るものでもありません。

 自分を唯一無二の存在と思ったこともないしそんな才能もありません。むしろ、診療技術も、訓練で伸びるものだと思っており、これまで若手医師や心理士のスーパーヴィジョンを継続してきました。そこで分かったのは、元々優秀だったかどうかはあまり関係なくて、技術は教えれば使えると言うことです。私はモーツァルトのような特異的な才能はありませんが、受験勉強のような積み上げていけば誰でも到達出来る技術を診療に於いてある程度の水準で提供していますし、それは弟子の医師は心理士さんたちが、本人達の持つ才能やセンスとは別に、確実に伸びていく様を拝見しておりますと、伝えられる技術ってあるのだろうなと思います。

 代診を立てる先生を非難することはありませんし、自分もいつそうなるか分かりませんが、少なくとも、今の所、元気な内は、自分のベストをしっかり提供させて頂くスタンスで、毎日の診療に臨ませて頂こうと思っています。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分