1049.存在そのものを肯定する
2023.12.28
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
お子さんとどう関わったら良いかというご質問を頂戴することがあります。
パーフェクトな回答はないと思いますが、それでも敢えて一言申し上げるならば、存在そのものを肯定することだと思います。
這えば立て立てば歩めの親心と申しますが、おむつにおっぱいが必要だった赤ちゃんが離乳食を食べたり寝返りが打てるようになるのは、成長の楽しみになります。おしゃべりが上手になったり楽器を演奏するようになればもっと楽しくなります。スポーツがうまくなったり、勉強ができればなお見ていて期待ができます。
さて、能力の成長はとても楽しみなことですが、いつの間にか、子そのものではなく、その成績や能力ばかり見るようになるということはないでしょうか。誰もがモーツァルトような天才ではありませんから、その内、音楽の能力はそれほどないとか、絵は下手とか、勉強が苦手とかいろいろ欠点も見えてきて、才能のなさそうな分野からは撤退することもあります。
成長と挫折を繰り返す内に、もう一度思い出してほしいのは、わが子が生まれた時に、それ自体を喜んだ思い出です。
あれこれできるようになったからこそもっとできるようにと期待してしまい、その内に、成績や能力のために、存在や人格を否定するようなことを言い始めると本末転倒になります。否定し始めた頃が子供の思春期など難しい時期に重なると問題はさらにややこしくなります。
こういう時に立ち返ってもらいたいのが、タイトルに申し上げました、子供の存在そのものを肯定する、ということです。
もしも、ギクシャクしているとお感じならば、今一度この点を振り返って頂いてはいかがでしょう。