ブログ

1038.アンガーマネジメントのこつ

2023.12.17

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 以前、アンガーマネジメントについて書いた所(#463稿)、そういうご相談も頂くことがあります。

 前回は、一般的なアンガーマネジメントについてお書きしたのですが、私なりに工夫している助言についても開示してみたいと思います。

1.他者の考え・行動はその人の自由である

 親子兄弟を含めて、自己以外の存在を他者と認識するならば、他者の考えや振る舞いはその人の自由である、ということをまず認めること、これはアンガーマネジメントに置いて重要です。人それぞれのあり方をまず認める立場であれば、こうするべきじゃないかという考えが自分からの押しつけになっていることに気がつくからです。
 場合によりけりと言うこともあり、例えば、救命救急行為を邪魔する人がいればそれは何らかの手段で控えてもらうなり立ち去ってもらう必要があるでしょうが、そこまで緊急でなければ、他者に協力を強要出来ません。そして、その他者が、あまり適切出ない行動を取ったり、望ましくない結果につながると予測されたとしても、それはその人が引き受けて行くべきものです。自由に振る舞うには責任が伴いますから、それはその方の自己責任と考えるのです。

2.自分の支配性を省みる

 怒りの気持ちとは、その場が思い通りに運ばないことへの怒りでしょう。
 つまり、怒る人は、その場の成り行きを思い通りにしたいと思っているからです。それは、自らの支配欲なのだと反省することが必要でしょう。
 そもそも、相手には当方の言うことを聞く自由もあるけれども聞かない自由があるわけです。
 そこに腹が立つのは、言うことを聞かない自由が相手にあることを認めてない、その場を支配したい支配欲に他なりません。

3.逆走老人の法則を思い出す

 自分が正しいと思い込んでいる時ほど、相手に変わって欲しいと思い込んでしまいます。
 しかし、それは衝突を生みます。
 逆走老人の法則で書きましたが、高速道路を逆走してくる見知らぬ老人と心中したい人が居るでしょうか?
 居ませんよね。
 自分が正しい時ほど、危険から身をかわし、一旦安全を確保してから社会的な方法で改善を求めることが重要です。
 自分が正しいと思い込んでいる時ほど、その場を譲るのが困難になりがちです。しかし、先に道を一旦譲って衝突を回避することで大けがを避けることが出来ます。もちろん、安全が確保出来たら110番で逆走車の通告をする方が良いでしょう。

4.月謝を払ってくれていない相手にアドバイスは控える

 相手や組織に対して、もっと効した方が効率的、本来こうするのが筋、という言い分があることがあるでしょう。
 しかし、教えて下さいと頼んできた相手以外に、助言を与えるのは、反発や恨みを買うことがあります。

 助言は、求められてからする、高度な助言は対価を持って行う方が望ましいと思います。

 言いたいことがある時に、自分の不満のはけ口や八つ当たりで吐いていませんか?
 それはカウンセラーや友人に後で聞いてもらえば良いのであって、相手を攻撃するために助言めいたことを言うのはあまり良い結果を生みません。

 何か言いたい時は一旦保留して、この人は自分に月謝を払ってくれているかチェックしてみましょう。十中八九払っていることなんてないはずですから、徒労に終わるばかりか逆効果だと分かるはずです。

5.場で起こっていることの良い側面を信じてそこに重心を載せる

 第3者が場に割り込んできた時に、ムッとしてしまうこともあるかもしれません。
 しかし、見方を変えれば、熱くなっている時に水入りをしてくれたと考えることも出来ます。
 物事には色んな側面があります。

 良い側面を信じて、そこに重心を載せて信じてみましょう。
 不思議なことに事態は良い方に転がり始めます。

以上、松原なりのアンガーマネジメントのコツを列記してみました。ご参考になれば幸いです。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分