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972.怪我の功名?

2023.10.11

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 実は、後で活躍したという選手が若い時に故障を抱えていたなんてケースがあります。
 サッカー日本代表の長友佑都選手は、腰を痛めてしまい、大学時代、ピッチに立てず応援席で太鼓を叩いていたんだそうです。その体験から、体幹を鍛える重要性を知り、FC東京からチェゼーナ、インテル、日本代表へとのし上がって行かれました。
 ザッケローニ監督も、肺病を患って選手としてのキャリアを早々に諦めたがゆえに、早めに指導者になり、名監督となりました。ACミランでのスクデット獲得、日本代表でのアジアカップ優勝などは記憶されている方もおられるかもしれません。

 名医として知られる故・日野原重明先生も、結核のために徴兵に取られなかったことが幸いして、100歳を越えても現役医師としてご活躍でした。
 身体が弱かったから、故障したから、というのは必ずしも全ての終わりではありません。

 そこから学び、それでもサッカーをしたいとか、医学を究めたいとか、自分の情熱を傾け続ければ、何者かにはなれるはずなのです。置かれた状況を受け容れて、その上で、腐らずたゆまず、努力を積み重ねることこそ、尊いことだと申せましょう。

971.指導医講習会を受けて参りました

2023.10.10

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 精神科指導医の講習会がWebであり、更新のために必要な単位があるとかで、受講して参りました。
 専門医制度、地域医療への配慮、メンタルヘルス、等多岐にわたる講義が3時間半行われました。

 時々知識をアップデートする必要があります。

 またみなさまに貢献出来るよう務めて参ります。

970.アネクドート

2023.10.09

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 アネクドートは逸話、と称するもので、ミルトン・エリクソンに端を発するものと言われています。
 エリクソン自身は、技法の解説を行わなかったことが有名なので、弟子と称する人々が、メタファーだとかアネクドートだとか色々技法に名前を付けて伝承しています。

 メタファーに関しては、実はオワコンであることが知られています。

 たとえ話っていうのは、始めた瞬間に、それに内包される「説教臭さ」が聞き手であるクライエントにバレバレになってしまい、効かないどころか反発されるという結果を生みます。

 アネクドートは、自分の知っていることや自分の体験した実話を話すことです。自己開示とも少々違うのですが、クライエントの相談内容に即して、自身の連想した事実について開陳します。すると、不思議なことに、クライエント側はそれに反応して自身の連想を深めることがあるらしく、膠着していた面接が進むことがあります。

 先日もセラピストへの集団スーパーヴィジョンをしていたのですが、アネクドートを使ってみると、驚くほど面接の膠着状態が解除されることがありました。アネクドートはなかなか使えるなあと実感した次第です。

 注意点としては、武勇伝などにならないことが重要です。俺はこうして上手く行ったからお前もこうすべきだ、的な論調ですと、アネクドートではなく、単なるお説教になってしまいますから、これは聞く側もげんなりしてしまいます。あくまでもフレンドリーな雰囲気で、尚且つ、クライエントの話を聞いていたからこそ連想した事実について開示するというのが大事になってくるかと思います。

969.メンテナンス

2023.10.08

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 自家用車に乗っていますと、車検なんて制度があるわけです。古くなったオイルやフィルター、パッドなどを交換してもらったりして、車検の基準を満たすような調整を行った上で、納税もしてから車検を通すわけです。
 
 自動車は2ヵ年などを基準に車検が設けられています。我々人間はどうでしょうか。
 従業員などの場合は健康診断を受けるよう制度化されている一方で、個人事業主や主婦など労働者ではない人達がそれから漏れている様に思いますし、車検と異なって身体の場合は基準を逸脱していても、パーツも交換出来なければ、すぐに数値を改善出来るわけではありません。
 我々の身体は生き物だけに、タイヤのように交換出来ませんから、生まれ持ったパーツを大切に使っていくことになります。

 心療内科を御受診頂く方などを拝見していますと、過重労働であったり、過剰適応であったりして、ご自身のメンテナンスを犠牲にしておられる方が多いのではないかと思います。
 節目節目となる時のメンテナンスも大事ですが、日々のメンテナンスもおろそかになりがちなことはないでしょうか。

 例えば、歯磨きを手抜くとか、入浴を翌日回しにするだとか、過食のまま体重増加しても放っておくとか。肩が凝ったままほぐさず寝てしまうとか、疲労しているのにお酒を飲んでしまうとか、寝不足なのにカフェインを摂って無理するとか。

 ご自身と向き合うのは、何もご自身の弱い面と対峙する必要はなく、疲れを取るとか、ちゃんと歯を磨くとか、すり切れた靴は買い換えるとか、ご自分で出来る不具合の修正を行うだけでも良いのです。日々のメンテナンスが上手く出来ていない中と思われる方、一度ご相談頂ければと思います。 

968.不慣れ

2023.10.07

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 あたりの強い上司や同僚を避けて、優しい職場に異動が出来たとしても、そこには不慣れという新しい問題が出て来ます。その時に、気軽に聞けてすぐに解決するなら良いのですが、そうじゃないと大変です。
 仕事の能率が落ちる要因の一つに鬱もあるのですが、もう1つの要因に不慣れという要素もあります。

 能力不足で出来ないことと、単なる不慣れで出来ないことが、良く混同されがちです。

 いい歳になってからイタリア語を始めたのですが、新しい言語の習得って本当に大変です。英語は国立大学に受かる程度は出来たはずなのですが、イタリア語になるとまるで入ってこないで、自分はこんなに頭が悪かったのか(悪くなったのか)と暗然としました。

 しかし、それはどうも勉強不足による不慣れが原因だったようで、イタリア語に良くある動詞が6通り活用する問題も、慣れてしまえば、私たちの時はiamoだし、君達は~teだし、とすいすい分かればどうってことなくなってきます。学習の早い人は、早く慣れる、早く馴化出来るのだと思います。

 慣れの問題であれば、何度も繰り返して慣れてしまえば終わるわけですから、能力不足ではありません。

 このように、上手く行かないなぁと言う時に能力不足なのか不慣れなのかもう一度検討して頂きたいと思います。不慣れであれば、慣れれば済むので早くなじめるように繰り返しておきましょう。

967.LINEで業務連絡してくる会社

2023.10.06

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 鬱に陥ってしまった患者さんのお話を伺っておりますと、全部ではありませんが、悪い企業の中には、LINEで業務連絡してくる会社があるようです。そういう会社は得てして労働組合がないことがほとんどです。これは、LINEで業務連絡を配信する行為が時間外労働に該当する恐れがあるため、労組が機能している場合、労使協定違反となって成立しないことが考えられるからではないかと想像しています。

 大学生のバイトなどでもLINEで業務連絡してくる所は割と頻繁にあるようです。
 確かに、使用者側は送りっぱなしで良いし、既読したかはチェックが出来るので従業員を監視するにはもってこいのツールです。

 でも、自分より上の人から何か言ってきて、もし、その内容に、これ違うんじゃないかなぁと思った時にどれだけの人がそれを指摘出来るでしょうか?そもそもLINEで業務連絡してくることをおかしいと指摘出来なかった時点で、入り口から負けていると考えて良いでしょう。
 読んだら読んだで、なんて返事しようか?失礼にならない言い方にしなければとか、従業員の考えなければならない思考量はそんなに単純なものではありません。すぐに返事しないとしても、それを気がかりに過ごすことでプライベートな時間が浸食されてしまいます。そういうことに全く配慮していないのがLINEで業務連絡をする行為です。LINEで業務連絡してくる会社で鬱になった人には、そんな会社は辞められるなら辞めた方が良いとお話しさせて頂いています。次の会社選びの際は、労組がきちんとあるか、ハラスメント等の委員会が機能しているかも重要なポイントです。

 思い当たることがあった方はご相談頂ければと思います。

966.上の子症候群

2023.10.05

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 第一子って良くも悪くも親からみて存在感があるように思います。
 両親にとっては初めての赤ちゃんですから、第二子以降が生まれるまでは親を独占して構ってもらっています。

 そのせいかどうか分かりませんが、第一子の子供にはいくつか特徴がある気がします。学術的なエビデンスではなく私の雑感なので、軽くお読み頂ければと思います。

・親とも問題ともしっかり向き合いやすい
・逃げ遅れる傾向がある
・無駄に正義感が強い

 なんてことないでしょうか。

 私の場合弟との二人兄弟ですが、父の議論の対象は長い間私だったと思います。ディベート部なんてトレーニングしていませんから、双方負けん気になったり、口げんかになったり、時に罵声に暴力沙汰なんてこともありました。
 そういう間に弟はすうっと二階に消えていく・・・。いえいえ、ウチの弟のことじゃなく、みなさんの弟妹は、お兄ちゃんやお姉ちゃんの避雷針に雷が落ちている間に、空気になって存在を消しているなんてことなかったですかね?
 幼少期だとどうしても長子の方が身体も大きいし、言葉の発達も弟妹よりは上なので、どうしてもそういうことになりがちです。

 そういう方は、会社やコミュニティに問題が生じると、生真面目に取り組んで解決しようとしたり、時に孤軍奮闘で、悪い上司にいじめられても退かないなんてことがあります。

 ただ、あまりにも巨大な組織相手に、半沢直樹のようなどんでん返しがあるのは小説やドラマの中の話であって、そうそう上手く行きません。悪い時は、更に意地悪にあったりします。

 そういう時は、その会社や組織が、そこまで自分の時間や心身を削るだけの価値がある対象なのか、よく考えてみましょう。みなさんにとって大切なのはご自分自身と、ご自分のご家族が笑顔で暮らせることではなかったでしょうか。

 上の子は逃げ遅れやすい上に、正義感も強く、紛争の現場にとどまって踏ん張る傾向があるのですが、退いたり逃げたりするのは決して悪いことではありません。労力を投入する価値がない相手は、相手にしないで、辞めるなりして、さっさとその場を立ち去りましょう。

 逃げ遅れて鬱になってしまった方は、拝見させて頂きます。

965.レタスの美味しい食べ方

2023.10.04

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 レタスって、シャキシャキしていると美味しいのですが、冷蔵庫に入れておくと、底面が赤くなってきたり、外葉がしなびてきたりしてしまったりして、残念ですね。
 良い方法があります。

 買ってきて割とすぐに、食べやすい大きさに切った上で50℃のお湯に1分さらします。ザルに上げて、その後水で粗熱を取り冷やします。それをタッパーなり袋に入れておけば1週間くらい赤い液も出ないし、シャキシャキのままです。外葉も復活して食べられます。

 手間じゃないかと思うかもしれませんが、オクラとか、ツルムラサキ、ほうれん草などを茹でた汁を水道水で割って、55~60℃くらいにしてそこに放り込んでも良いようです。
 少し高めにするのは冷蔵庫から出したレタスの温度で若干湯温が下がると見込まれるためです。

 面倒な時もあるのでいつもやるわけではないのですが、おひたしを作ったついでにサラダも作るなんて時はお湯のリユースとしてやっていることもあります。

 お試し頂いてはいかがでしょう。

964.反芻

2023.10.03

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 牛などの反芻動物は繊維の多い草などを一度に消化出来ないため、一度胃に入れた草をもう一度口に戻してもぐもぐと噛むようです。このように胃に入れた食物を一旦口腔に戻して再度咀嚼する行為を反芻といい、草食動物にはそういうものがいるようです。

 不安や緊張といった症状を既に解決済みのものを含めて、もう一度呼び起こして、再度不安に陥りたがる人達がいます。
 まるで症状が自分のアイデンティティーであるかのような、症状を愛して止まないように見えてしまう人達です。

 私たちは、胃に入れたものを吐いてまた噛み直すというのは、気持ち悪くて出来たものではないのですが、症状の反芻が癖になって止まない人も少なくないようです。ある優れたセラピストは、こういう方には反芻の話をされるんだそうで、そうすると症状の反芻が病むと教えて頂いたことがあります。

 ご自分でもついつい症状を反芻しているのではないかと思い当たる方は、一度ご相談頂ければと思います。

963.ゲームをする=休憩か?

2023.10.02

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 若い患者さんだと、結構休んだ、ゲームをしていたなどと言われるのですが、さてゲームをするのは本当に休憩なのでしょうか。

 仕事中にゲームをするのはサボタージュですから、真っ当な社会人としてはあり得ません。
 そういう意味ではゲームがしたければ休憩時間や個人の時間でどうぞ、ということになります。

 一方でそのゲームなのですが、シューティングは的を倒すものですし、格闘ゲームも戦闘します。RPGだって敵を倒さなければなりませんし、スポーツ系のものも競技です。シミュレーションゲームも国盗り系のものには戦闘場面があります。そもそもホモサピエンスは絶滅していった旧人類なども含めた全ての人類の中で最も好戦的な種族だと言われています。
 スポーツやゲームはホモサピエンスの闘争本能を平和的に解決する発明と言えるでしょう。
 知り合いの女性がしているゲームで着せ替えゲームなんて言うのがあるみたいで、流石にそういうのは戦いはないのかもしれませんが割とレアな気がします。

 本来、休憩というものは昼食なり、補給を行い、リラックスして副交感神経有意な状態を作り、消化や吸収などリカバリーが可能な状態を十分作るものです。戦闘中はアドレナリンが出て交感神経優位となりますから、これは適切に休憩しているとは言えないのではないかと思います。

 勉強や仕事をせずに、ゲームをしていた。生産的なことは何もせずに過ごした。だから休憩だった。という風に思っている方は、本来十分な休憩が取れていない可能性があります。
 緊張している筋肉を緩め、深呼吸などをして、血圧を下げたり脈拍をゆったりさせ、交感神経を休ませ、副交感神経をしっかり作動させるには、それなりのトレーニングが必要です。当院では自律訓練法など心身医学的な方法を提供しています。

 ちゃんと休憩が出来てないとか、上手に休憩するスキルが十分ないと思い当たる方、ご相談頂ければと思います。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分