945.棚田
2023.09.14
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日、山口県を訪れた際、棚田を見て参りました。
棚田は、稲作が行われている山岳地域に世界的にも見られるもので、中国の雲南省やフィリピンのバナウエにあるものは世界遺産登録されているそうです。以前、急峻な崖をブドウ畑にしてしまったイタリア人の努力にも驚きましたが、稲作地域の農家も、代々の努力をしてきたようです。
実は、広い沖積平野は、高低差がなさ過ぎて稲作には不向きであり、灌漑技術が未熟な昔は、ある程度の高低差を要したようです。
減反政策で、杉林に転換しようとして無残な失敗に終わったことや、棚田はエジプトのピラミッドに匹敵するという賞賛もあったとかで、1999年には、農林水産省が、日本の棚田百選(実際には134地区)を選定したり、2022年にはつなぐ棚田遺産を271地区していしたようです。
全国の水田の1割に当たる15万haが棚田であり、この30年間で3分の1が消えたとも言い、付加価値やブランド化、わさびなどへの転換などが工夫されているようです。人口減少や食料自給率の問題と合わせて、我々も考えていく必要がある問題なのでしょう。
美しい棚田を見ながらも、その背後には色々考えるべき問題があるのだろうなぁと思いました。