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937.パワーゲーム

2023.09.07

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 ルールを破りがちな方に、きちんと決まりを守って下さいとお願いするのは正しいこと思います。
 しかし、人間、感情的になってしまうとここの収拾が付かなくなり、

「あなたこそ決まりに従って下さい」
「あなたの方こそ、常識的な言い方をして下さい」

 というような言い合いになると、相手が自分側のルールに屈服するかどうか、という関係性が出来上がることになります。
 こういうやり取りを私共の世界では、パワーゲームになっている、と称します。

 どちらが先に膝を屈するか、というゲームになってしまうと、正しいかとか効率的かとかいうことは棚上げされて、勝つか負けるかの関係性となってしまい、常にパワーゲームを仕掛けてしまう心性の方とか、負けず嫌いで勝たないと納得出来ない心性の方だと、引くに引けなくなったりして、落とし所を見失うことがあります。

 パワーゲームに陥ってしまうリスクを感じた場合、冷静になって、少し俯瞰的に物事を見てみたり、本当は上手くやり取りしたいのだとか、真意を伝えたかっただけなのだ、とか、大事な原点に帰れるように思い直してみましょう。
 そして、少し言い過ぎた箇所があれば、先に譲ってみるのも一案です。
 外国とかだと違うかもしれませんが、日本の文化の中では、至らぬ点を先に謝罪すると上手く行くことも多いものです(全面的に相手の言い分を認める必要はなく、注意は必要ですが)。

 パワーゲームに陥っている、陥りかけている、という時は、それ自体が感情的に行動している証拠なのですが、自分が感情的になっている、という分析は理性的なものであり、あ、自分は感情的になっているな、と思えた時点で不思議とそのループから解脱するから不思議です。

 イニシアチブの取り合いになっていることに気づいた時は、少し冷静になるよう心がけましょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分