ブログ

901.パタニティブルー

2023.08.02

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 女性が妊娠に伴って精神的に不安定に成様をマタニティブルーと言います。これは女性によく知られている物です。
 それに対して産前に父親が不安定になってしまうことを総称して、パタニティブルーと言うようです。

 2020年に報告された日本で実施された33辺の論文結果を用いたメタ解析によると産前に父親が鬱のリスクありと判定される頻度は8.5%、産後1年間では8.2~13.2%とされています。女性の産後うつはホルモンバランスの変化が影響していますが、男性の場合は育児の不安や責任感から来るプレッシャーが背景にあり、妻の出産前から産後1年まで続く人もいるそうです。

 個人的な体験から申し上げますと、新生児って3時間毎に起きたりするので、きっちり世話をしようと思っているお父さんだと、3時間毎に母親と一緒になったりあるいは率先して、児の面倒を見ます。グーグー寝たきりのパパもいるようなのでそれは個人の覚悟や資質にもよりけりだとは思いますが。
 私の場合も率先してみていましたし、病院の後輩の男性医師も産後眠そうにしていました。医師の当直勤務に掛けて、新生児に毎晩起こされるのを「家当直」などと冗談で言っていましたが、本当に終わりのない当直勤務のようです。

 夫婦の形や協力関係は百組百様でしょうから、どれがベストかは双方納得していればそれがベストなのでしょうが、日中仕事しながら家で当直状態になると、流石に男性の産後の鬱には子供の面倒を見ながらの睡眠不足や断眠の影響があるのではないかと推測しています。最近は男性育休も積極的に取るように推奨されています。子育てって生半可には出来ないので、確かにこういう制度を上手に使って男性も女性も子育てしやすい世の中になったらと思っています。

 マタニティブルーであれ、パタニティブルーであれ、専門家の援助が必要なこともあるかもしれません。特に男性の場合は、妊娠や授乳がありませんから、抗うつ薬や睡眠薬を比較的気軽に使用することも可能でしょう。

 パタニティブルー?って思い当たる方があれば、ご相談頂ければと思います。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分