807.質問する姿勢
2023.04.30
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
時折、質問してきたはずなのに、ご自身の考えを蕩蕩と述べ出す人がおられます。
だいたい、そういう方はご家族と上手くいかないなど、何らかの緊張関係をお持ちのように思います。
これを少し心理学的な言葉も用いて紐解いてみたいと思います。
二重拘束(ダブルバインド)という言葉があります。
「カレー?ハンバーグ?どっちにする?でもミンチこねるの面倒だな。」
と最後にぼそっと入ると、それは、結局ハンバーグを作るのは面倒くさいからこちらにカレーと言わせたいってことだよね?っていう感じになるんじゃないかと思います。
っていうことはそもそも2択ではなく、択一の答えなのであって、2択で聞く意味はほぼないということになります。
どちらもOKであるように装っているけれども、択一の答えしか選ばせないような関係の取り方を二重拘束と言います。
これを子育てなどでやってしまうと、子どもはどうせ言っても無駄、親の言う選択肢しか選べない、と諦めたり拗ねたりし、それが親子関係に影を落とします。
子ども相手でも、専門家相手でも、質問した以上は、相手の回答を聞き切ることが重要です。逆に、きちんと聞く覚悟がないならば、軽々に質問するのは良い姿勢とは言えないのではないでしょうか。
何気なくしている会話でも、親だったり年上だったり、自分のポジションによって相手を二重拘束で押さえ込むことは差し控えたいものです。普段から質問と答えには、ご自身の姿勢作りも問われていると捉えておくことが必要ではないかと思っています。