781.波打ちながら良くなる
2023.04.05
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
鬱からの回復過程は、一体どのようなものでしょうか?
何でもポジティブに考えられて、どんどんアイディアが出て来るのでしょうか?
これに多弁、易怒性、浪費などが付いてくると、躁状態というやつで、むしろ危険な兆候です。
心療内科で修行中、指導医の先生から、「波打ちながら良くなる」と教えて頂いたことがあります。
基線としての全体はだんだん緩やかに上向きなんだけれども、体調や、周りの言葉などに左右されて、一時的に悪くなったりすることもある、ということです。
一時的に落ち込んだり、持ち直したりはするものの、落ち込みの幅がひどくなかったり、持ち直すのが早くなったりと、悪い時よりマシな反応が観察されるというのです。
当院に通院して頂いている方からも、なかなか良くならない、と言われる時、どんどん指数関数的に良くなる想定をされていることがあり、この、波打ちながら良くなる、ということをお伝えしています。
波打ちながら良くなると考えて見ると、落ち込みの緩和や回復の早さを認めることが出来、そういう点からも良くなっていることを確認していくことが出来ます。
多少の波があっても、良い時もあるのであれば、波打ちながら良くなる、と少しご自分の視野に幅を持たせて頂くと、楽に回復に迎えるのではないかと思っています。