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499.性機能障害

2022.06.17

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 うつ状態というのはセロトニンやノルアドレナリンの不足が原因と言われており、そのために、抗うつ薬はセロトニンやノルアドレナリンを十分にさせるものが使われます。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などがこれに当たります。古い三環系、四環系なども結局はこの辺に効いて効果があると言われています。

 ところが、SSRIなどは、副作用として性機能障害を起こすことがあります。副作用と言っても永続的なものではなく、中止すれば回復する類いのものなので、あまり過敏に心配しないで頂きたいとは思います。
 男性で言えば勃起障害、射精障害(遅延)、女性で言えばオルガズム障害などです。

 性の悩みについては言いにくいことが多いでしょうが、生活していく上では必要なことです。男性の患者さんであれば私も男性ですので気軽にご相談頂ければ良いですし、女性の方は女性看護師の方にそっと伝えて頂いても良いかもしれません。

 また、別に高プロラクチン血症という副作用も起こることがあります。これも可逆的な副作用で中止すれば戻るものですが、月経遅延や乳汁分泌(母乳が出る)などが起こります。高プロラクチン血症はドーパミン系のスルピリドやアリピプラゾールなどで起こり得ますし、症例として何例か経験があるので、時々起こり得る副作用です。

 いずれにしても、性の機能に異常が出た場合は、お薬によるものも疑う必要がありますので、恥ずかしがらずにすぐにお知らせ頂ければ、内服薬を変更するなど適切な対処が出来ると思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分