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1305.人類は保育をする

2024.09.05

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 人間の赤ちゃんはなぜ泣くのか、という問いがあります。

 同様な類人猿の、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンの赤ちゃんが、誰かを呼ぶべくワンワンと泣く様は見たことも聞いたこともありません。一体なぜなのでしょう。

 ジャングルで小猿がワンワン泣いたら、捕食の肉食動物に食べてくれと言わんばかりで、とても危険です。我々人類は、古来、ジャングルにゴリラなどから追われた、謂わば、ジャングルの敗残者と言えましょう。豊かな木の実を食べられないので直立二足歩行で餌を探している内に、直立の原理で脳が大きくなり、色々工夫が出来たようです。

 人間は外敵の入れない家を作るようになり、家の中で赤ちゃんを哺育することにしました。外敵がいないので赤ちゃんは親や大人を呼ぶことが出来ます。
 また、泣く行為は必ずしも親を呼んでいるわけではなく、世話をしてくれるなら誰でも良いということになります。ミルクを与えられるなら父親でも良いし保育士さんでも良いわけです。

 オランウータンの授乳期間が7年もあることは以前も触れましたが、人類はせいぜい1~2年。7年って、年長児や小1の子どもがおっぱいを求めてぶら下がっていたら人間の女性は狂ってしまうかもしれません。非常に未熟な状態で子宮から外に産み落とし、授乳期間も短縮し、他の大人を含めて社会で子どもを見ることにしたことで、人類は次の子どもを繁殖する能力も得ました。

 保育園に預けるのも、保育士に任せるのも、近代化してそういう職業が現れたとは言え、進化の過程で猿人、原人、旧人、新人となる間に、みんなで子どもを保育していくようにしたのが人類の種族としての決断であり特性です。

 子どもを預けることに少し後ろめたさのある親御さんは、ぜひ、気にせず堂々と預けてみて下さい。そして、会える時間にお子さんをたっぷり愛して上げましょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分