1289.コナーズ
2024.08.20
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
注意欠陥多動性障害:ADHDの診断に用いられるConnersおよび、成人用のCAARS(Conners’ adult ADHD Rating Scale)は、現在保険診療が認められていませんが、ADHDの診断には非常に有用な検査です。
本人用、保護者(家族)用、に加え、児童生徒ですと、教師用などがあり、約100問ほどの項目で施行時間は20分程度です。
当院では自費購入でお出ししております。
コナーズ(Conners)は、米国の臨床心理学者で非常に優秀な人物でした。
1933年3月20日、ユタ州に3人兄弟の一人として生まれ、成績は常に優秀、15歳でシカゴ大学に入り20歳で卒業。オックスフォード大学クイーンズ・カレッジで、哲学、心理学、生理学の最初の修士号(おそらく複数修士の最初の制度化)を取得し、1960年にハーバード大学で臨床心理学の博士号を取得しました。
飛び抜けて優秀だったのが判ります。
ジョンホプキンス大学の教授となり、メチルフェニデートの有用性の確立を行いました。
アメリカの心理師は精神科処方権も持っていたりするので、薬物療法が1年目は有効だが2年目は他の治療に対して優位性があまりないことを示すなど、臨床医的な研究もしています。ADHDの診断率が当初の想定と高いことなどにも警鐘を鳴らすなど、84歳で亡くなるまで、発達障害の臨床に真摯に意見を出してきた優れた人物だったようです。
当院では、ADHDを疑う方に、Conner’s,CAARS両方とも対応可能ですのでご興味のある方はお問い合わせを頂ければと思います。