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1279.ペリー就学前計画

2024.08.10

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 2000年にノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のヘックマン教授は、2006年の米国科学アカデミー紀要にスタンフォード大学のクヌーゼン教授らと共同論文を発表しました。その要点を一言でまとめると、「経済学的にも神経生物学的にも、将来の労働力を強化し、生活の質を高めるタメの最も効率的な戦略は、幼少期の恵まれない子供達の境遇を改善すること」と言います。
 彼らはペリー就学前計画という就学前の子供達に行った教育支援の実験的政策の効果を明らかにしています。
 3~4歳のアフリカ系アメリカ人の恵まれ内子供達に、午前中の学校教育と午後からの先生の家庭訪問を含む2年間の介入実験をしたそうです。

 被験者の子供達は、40歳になって時点で、同じ鳩翁宮にあったが実験二酸化していない子供達と比較して、高校卒業率、所得、持ち家率が高く、婚外子を持つ比率や生活保護受給率、逮捕される率が低かったといます。

 こうさつとしては、介入を受けた子供達が高い学習意欲を持ったことが原因だと言います。

 ペリー就学前計画の投資収益率は15~17%と非常に高いものになるといいます。
 生後4ヶ月から行った別の介入実験では子供達のIQも高まったとされます。

 さらには、学校教育の段階で恵まれない子どもたちへ援助をしたところで就学以前の段階で家庭環境が悪いとあまり効果がないことも明らかになっています。アメリカでは親の所得階級による子どもの数学の学力差は6歳時点で既に存在して、拡大し続けるそうです。

 先日は東京都知事選があり色んな公約が飛び交っていましたが、学校の改善を主張した候補者もいたようです。

 しかし、ペリー就学前計画を知っていくと、保育園や幼稚園の教育の重要性があるようにも思います。子育てはしんどい面もありますが、面倒だからといってスマホ任せにせず、子どもの知的好奇心を刺激するような教育が大切なのではないでしょうか。

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