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1256.成績と睡眠

2024.07.18

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 十分な睡眠時間は、学業成績にも必要不可欠なことが知られています。
 Gruberら(1)は、睡眠時間と学業成績には正の相関(多ければ、結果が良いということ)があることを報告しています。また、Wangら(2)は、睡眠時間が8時間を下回ると、成績が低下すると警鐘を鳴らしています。Curcioら(3)は、学業成績や認知能力は不十分な睡眠で下がり、十分な睡眠で改善すると指摘しています。

 私も従来睡眠を軽視しがちな生活を送っておりまして、反省しないといけません。

 結局、短時間睡眠であれば、勤務医時代は会議やカンファレンスで寝てしまうということが起こり得ていました。
 受動的に人の話を聞くことは眠くなることにつながりやすいですが、睡眠時間がたっぷり取れていれば、つまらないところは流して重要なところを記憶するなど取捨選択などの認知能力も上がっていた気がします。

 温かい布団でぐっすり寝る、こんな幸せなことはない、というのはドラえもんののび太君の名言だったような気がしますが、戦乱のない日本に生まれ育ち、温かい布団で命の危険なく眠れるのであれば、その幸せを最大に享受した方が良いですし、睡眠は勿体ない時間の使い方ではなく、幸せの時間だから増えて良い、と認識して頂ければ、頭の切れも戻ってきてより健康になるのではないかと思います。

(1)Gruber R, Laviolette R, Deluca P, Monson E, Cornish K, Carrier J. Short sleep duration is associated with poor performance on IQ measures in healthy school-age children. Sleep Med. 2010 Mar;11(3):289-94

(2)Wang G, Ren F, Liu Z, Xu G, Jiang F, Skora E, et al. Sleep patterns and academic performance during preparation for college entrance exam in Chinese adolescents. J Sch Health. 2016;86:298‒306

(3)Curcio G, Ferrara M, De Gennaro L. Sleep loss, learning capacity and academic performance. Sleep Med Rev. 2006 Oct;10(5):323-37.

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