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1253.母親の帰宅時刻

2024.07.16

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 お母さんの帰宅時刻が遅い家庭では、子供の就寝時刻が22時以降になることが多いようです(1)。厚生労働省の21世紀出世児縦断調査というものがあります。この調査によりますと、2001年に出生した4万人以上の子どもの睡眠習慣の追跡調査が行われました。4歳6ヶ月時点での最も多い就寝時刻は21時台(50.1%)、次いで22時台(21.9%)であり、21時前に就寝する子供は5人に1人以下しかいませんでした。これは親が残業等で帰宅が遅いことも影響しています。
 塚田由佳里氏らの研究(2007:(2))によれば、就寝時刻が遅くなれば睡眠時間が短くなることも知られています。

 これは必ずしも母親の責任を問うわけでもなければ、子供の就寝時刻について母親だけが管理しなければならないという趣旨ではありません。一つのデータとしてそういう研究が知られているということです。
 母親の帰宅が遅い場合は、祖父母の手助けが活用できる場合はした方が良いでしょうし、父親の帰宅を早めたり家事への参画も重要でしょう。ただ、判っていてもなかなかそれらが困難な家庭もあるでしょうから、実際の家庭内でこれらをどのように改善するかは夫婦間の話し合いも必要でしょうし、それらが困難な場合は片親のケースも含めて、社会福祉などの活用がどの程度提供できるのかなどを検討していく必要があるでしょう。

 もし、改善可能でなんとなく遅いだけだったという場合であれば、帰宅時刻を少しでも早めて頂くことが重要になるでしょう。

(1)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-007.html
(2)塚⽥ 由佳⾥, ⼩伊藤 亜希⼦, 親⼦の帰宅時間の遅延化と親の⽣活スタイルが⼦どもの放課後の⽣活に与える影響
⽇本家政学会誌, 2007, 58 巻, 5 号, p. 231-246

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