1245.薬指の長さ
2024.07.08
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
七夕の夜、織り姫と彦星は薬指に誓いを立てたかは、アジアの昔話なので定かではありませんが、川を挟んだ恋の中に、現代人であれば薬指を連想する人もいるかもしれません。
ケンブリッジ大学の神経科学と経済学の研究者達は、成功している証券トレーダーとそうでない者達を比べて、薬指と人差し指の長さの比が大きいと言うことを明らかにしたと言います。(1)。
そうなんだ、と思って私も自分の手をじっと見てみたところ、薬指は中指より少し短いくらいですが、逆に人差し指が短いのでいびつな手だなあと思っています。まあでも、このケンブリッジの研究に照らし合わせれば、薬指と人差し指の長さの比は大きいと言うことになりますから、悪くないのかもしれません。
一般に、薬指と人差し指の長さの比は男性ホルモンであるところのテストステロンの量に比例しているようです。妊娠3ヶ月頃までのテストステロンの曝露量から指の長さの比が決まるんだそうです。テストステロン量がなぜ大事かと言えば、一瞬の判断力や筋肉の量に影響するからと言うことでした。
そういうことから、他の研究においても、サッカー選手やラグビー選手でも一流とそれ以下の選手の研究で確かに差があるそうですし、オーケストラ奏者についても、地位が高い走者ほど薬指が相対的に長いんだそうです。行動経済学の大竹文雄先生はこれらの研究では全例調査でないため不十分と考え、大相撲でこの研究を確かめたところ、確かに、横綱大関の力士の方がそれ以下で引退した力士よりも平均的には薬指が人差し指より相対的に長く、統計的にも有意差があると明らかにしました。実際には個人差もあるので、あくまで平均同士の比較と言うことでご了承頂きたいのですが・・・。
日本でも有数に優秀な人材、例えば大谷翔平選手、藤井聡太竜王名人、多資格YouTuberで塾長の河野玄斗さん、元安芸高田市長だった石丸伸二さんなどの動画を見る機会があれば今度薬指の長さに注目して見てみたいなと思いました。
なお、この記事の元ネタは、大竹文雄著「競争と公平感」(中公新書)のコラムを拝見して、私感を加えてしたためたものです。良ければこちらも手に取ってみて頂ければと思います。