1224.連想とテーマ
2024.06.16
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
トランス療法の技法の一環に連想を用いた会話というものがあります。話を聞いていて連想したことを聞き手が話し、話し手と聞き手が交代し、聞き手が連想したことをまた話し出すという具合に進めます。
先日友人と話していて、親子の葛藤のテーマが出た時に、ふと、世界献血者デーについて言及しました。正直、ちょっと実験的な試みで、その親子葛藤と献血デーは何の関係もなく、先日世界献血者デーだと初めて知った、というタイミングただそれだけです。
ところが面白いことに、それを聞くと、親戚に血液疾患の人が居て云々と、家族・血液と連想されたテーマが展開しました。血族というように血は、赤血球だけではなく、遺伝や家系の象徴語にもなり得ますから、そういうことが起こるのでしょう。そういう連想を働かせていると親子葛藤の問題が一つ視野が広がって見えてくるから不思議なものです。
連想を用いた会話が治療的になるのは、相互の脳が刺激されて体験を誘発するからであり、「体験」を持っていないAIには出来ない作業です。最も、1万人ほどの体験をストーリーとしてストックして、AIの性格や体験を「設定」しておけばそういうことも可能になる日が来るのかもしれませんが。