1120.ブラームス
2024.03.07
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
クラシックの作曲家にブラームスという人がいます。
ドイツ・オーストリア系のなかでは、モーツァルト、ベートーヴェンの次の世代に来るわけなのですが、その間にはじつはシューマンという作曲家もおり、ブラームスはシューマンの弟子のようなポジションでしょうか。
シューマン夫妻と家族ぐるみの交流を持ってかわいがられていたブラームスですが楽聖ベートーヴェンの陰にはおびえていたようで、交響曲第1番の作成に20年も掛かりました。モーツァルトが旅先で交響曲リンツを4日で書き上げた(今でもギネス記録らしい)のは極端な例かもしれませんが、いかに慎重になっていたかわかるでしょう。その甲斐あってか、この第1番は今でもブラームスの中で最も演奏される曲ですし、指揮者のビューローから、「これはベートーヴェンの第10番だ」という最高な評価を受けています。
第一楽章の深刻で深淵な悩みの中から、第4楽章の光に達する流れは、歓喜の歌第九から確かにバトンタッチされたかのような曲です。
先日、尊敬してやまない人が亡くなりました。
全く追いつけず、全く理解し得たと言えないまま、亡くなりました。
私のような凡人は、ブラームスのような歴史的天才に例えては失礼かもしれませんが、偉大な先人の才能をわかるが故に自分の至らなさに苦悩する彼の姿はちょっぴりですが理解できる気もします。
そして、ブラームスはベートーヴェンのまねをしたわけではなく、師匠のシューマンから学んだこと、自分のオリジナルなどを加えてその後のたくさんの作品を生み出していきました。
先人からいかに学んでも、同じにはなれません。引き継げる精神を引き継ぎ、自分なりに咀嚼し消化したものを世に出していくしかないのでしょう。