1115.学習性無力感
2024.03.02
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
学習性無力感とは、1967年にマーチン・セリグマンが発表したものです。
具体的には、不可避な高ストレス下に晒された結果、不快な状況から脱却出来なくなる状態です。抵抗すれば良かったのに、なぜ逃げなかったのか、なぜ訴えなかったのか、と、一見思ってしまうような状況であっても、不可避だったがゆえに嫌なことの受け入れを続けてしまったケースなどはこれに当たります。
動物実験でも証明されており、生物には起こりうることと言えます。したがって、これを気のせいとか、メンタルが弱いから、とか適切な行動が出来なかった自分が悪いと責めるわけには参りません。
拉致監禁、家庭内虐待、いじめ、会社でのハラスメントなどでも同様なことが起こると言われています。
対処としては少しずつ小さな成功を積み重ねていくことが最も良いようです。
そもそも、このブログに辿り着いた行動自体が、読者の方の適切な行動の1つと数えられるでしょうし、受診に至ったならもう一つの成功体験と言えるでしょう。そのように、専門家の門を叩いたこと自体、大きな一歩を踏み出したと言えるわけですから、出来るだけお力になれるよう、心理士、看護師と共に努めて参ります。
皆様も、自分や自分の周りの人が学習性無力感に陥っているのではないかと思われた時は、一度ご相談頂ければと思います。