1096.とすね療法
2024.02.12
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
内観療法に自律訓練法、動作療法、催眠療法、行動療法、精神分析、交流分析、ブリーフセラピー。色々学んできましたが、とすね療法は知らなかったので、何だそりゃ?と思って本を読んでみました。
睡眠医学の権威、スタンフォード大学睡眠医学センターの河合真先生によれば、
とりあえず
すいみんやく(睡眠薬)で
ねむる(眠る)
療法
の頭を取って、と、す、ね療法なんだそうです。
精神疾患を改善させるためには、睡眠の確保が必須と言われています。一般に精神科医が、「睡眠薬を使って良いから眠って心のエネルギーを貯めましょう」と申しますが、まさにこのことと言えるでしょう。
私の方も最初の1ヶ月はベッドで寝たまんまでも良いくらいと睡眠を推奨しています。
鬱の治療が上手く行くには
①「とすね療法」でとりあえず眠る
②原因となる精神疾患の治療が抗うつ薬や抗精神病薬で上手く行く
という2つの要素が必要です。
もちろんこれで万全でもないですし、途中途中で、経過中の原疾患の再評価や治療の再構築を行う必要がありますが、とりあえず眠る、というのは大事なことなのだと思います。
(出典:睡眠専門医がまじめに考える睡眠薬の本:河合真著、丸善出版)