174.逆走車の法則
2021.07.31
174.逆走車の法則
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。 6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
自分が整合性のあることを主張しているつもりの時にも、反論や押さえ込まれることがあるかもしれません。
それは時に配偶者だったり、時に上司だったり、いろんなシチュエーションがあるでしょう。
その時、自分の内心は、「どうして自分は正しいことを述べているのに、相手は感情的な、あるいは場当たり的な、あるいは非論理的な反論をしてくるのだろう?」と思うかもしれません。その時には自分自身も、怒りを感じたり、不可解な気持ちになったり、相手があまりに怖い時は恐怖を感じたり、理不尽さにもやもやするかもしれません。
いずれにせよ、おそらく自分が正しい、おそらく相手が間違っているのではないか、と考えている時、自分の方が「逃げ遅れる」ことが多いかと思います。なぜなら、正しいから逃げる必要もないし、逃げてはいけないと思っていることが多いからです。
しかし、よく考えてみて下さい。戦争を含めてすべての喧嘩は、自分が正しくて相手が間違っていると思うから起こるのです。お相手だって、気分が変わったのかもしれませんし、高度な政治的な圧力がかかったけれどそれは言えないだけかもしれません。
とにかく、正面衝突した時に生ずるのは、双方に甚大なダメージです。時に大きく傷ついたりします。
相手が感情的な反論をしてくる時、相手が約束したものと異なる主張をしている時、相手の意向を汲んでしまうと当方がものすごく不利になる時、なかなか論理を譲れないものです。
この時の心境を、「逆走車の法則」と名付けてみました。
自分は、進入車線を走っていて、相手が猛烈な勢いで逆走してくることを想像してみましょう。
さて、質問です。明らかに正しいのはあなた、間違っているのは相手です。
ここであなたは、道を譲ってよけますか?
感情的には譲るのはおかしいような気もします。が、猛スピードですし、正面衝突したら死ぬ危険性が高いです。お相手の間違いを指摘するのは命あってこそではないでしょうか。
そこで、患者さんにこの逆走車の法則を申し上げています。「あなたが正しいからこそ、一旦道を譲りましょう」と。正面衝突したら死にますから。
理不尽な圧力は逆走車と思え。と言うわけです。
一旦華麗によけておいて、命拾いしてから、ビデオレコーダーなどを用いて検証する。警察に法の裁きを任せる等。
自分が正しいから、道が譲れない、と思っておられる方に、逆走車は一旦避けて命を守ろう、という提案をさせて頂いております。