1269.命令文+or
2024.07.31
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
緩和ケアのに従事していた時に精神腫瘍医の研修を受けたことがあります。
医師の集団が本気でマニュアルを作っていくと非常に綿密なものが出来ていくようで、感心した覚えがあります。
その中で聞いたことだったのかもう忘れましたが、医師が患者を説得する際に最も用いている手法は、命令文ではないにせよ、
お勧め文+or、すなわたい、「この治療をお受けになった方が良いですよ」+さもないと悪化する恐れがあります、系の話です。教育系の友人に聞いたところ、学校の教師なども、全員ではありませんが、○○しなさい、さもないと、というような言い回しをする人がいるらしく、医師にせよ教師にせよ、「脅し」を説得に用いた場合、その場の雰囲気はあまり良くないものになるような気がします。
私も熱心に治療を勧めようとするあまり、説得の時の圧力を感じさせてしまうことがあったようです。最近はそのようなあり方を反省して、提供はするが、その方法を採らない自由もある、という風に少し手綱を緩めています。患者さんにも、やんごとなき事情があったり、言ってないけど秘密があったり、経済的な理由だったり、宗教上の理由だったり、単なる偏見が取れてなかったり、色々ありますが、そのままうんと言えなかったり、うんと言っても実行できないことは良くあることです。
できるだけ、命令文+or(もしくは、お勧め文+or)から離れて、言うこと聞かない自由のある人が相談に来られている、と気楽に構えるようにしたところ、最近の手応えは悪くありません。
みなさまも、相手の自由や権利を認めつつ、違う立場もありなんだという風に楽に構えて人とお会いになってご覧になってはいかがでしょう。