1265.マシュマロテスト
2024.07.27
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
マシュマロテストというのは心理学者のミッシェルと正田が行った有名な実験です。
子供の頃の忍耐強さの有無が、その後の社会での成功に大きな役割を持つことを示したものです。
具体的には、4,5歳の子供にマシュマロを1個見せて、実験者が部屋に戻ってくるまで食べるのを我慢出来たらもう一つ上げる、と言って約20分後に戻ってくると言う実験です。彼らは、その時に食べるのを我慢出来た子供と出来なかった子供を10年後に追跡調査しました。
さて、その結果はどのようなものだったでしょうか?
我慢出来て、マシュマロを2個もらった子供の方が、そうでない子達よりも成績が良く、リーダーシップもあり、社会性を備えていたことが示されたのだそうです。
この結果は、忍耐力という非認知能力の幼少期での形成の有無が、その後の人生に大きな影響を与える、と言ったことを示しているようです。
簡単にそうはいうものの、こういった忍耐力がつくためには、20分経った時に必ずもらえると大人を信用している必要があるでしょうから、待たせたあげく、取り上げて親が食べてしまうような家庭であれば、当然待つだけ損ですから、待てたら2個なんて、信用できるかってことで目の前の1個に飛びつけば、確実に1個は食べられることになります。子供にとって20分待つというのは永遠に近く感じるほど長いかもしれませんから、イライラしながら待つのは厳しいものがあります。これらを乗り越えるためには2個もらえるのだ、というポジティブな結果を信じ続けて自分を鼓舞していかなければなりません。つまり、我慢出来た子達は良い結果を予想して、軽挙妄動することを抑制することこそ、良い結果につながるという体験を既に積み重ねていたであろうことが推測されます。
お話を伺っている中で、この方はマシュマロテスト受けたら我慢出来たのであろうとか、我慢出来なかったのであろうとか、想像することがあります。
これらには親の教育も非常に影響しているようです。
その件についてはまた別稿でも考察してみたいと思います。