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1236.谷川兄弟

2024.06.28

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 将棋界は、最近、藤井聡太八冠が伊藤匠七段に叡王戦で敗れ、254日保った八冠から七冠に交代しました。竜王名人という大2冠を保持したままの七冠ですから、まだまだ第一人者と言えるわけですが、11連敗にめげずに、藤井七冠に挑み続けて初戴冠した伊藤匠七段には敬意を表したいと思います。ただ、叡王戦のスポンサーが、不二家のみならずAMDや豊田織機等、結構藤井名人寄りが多いため、継続性に多少の心配はありますが、前戴冠者は決勝トーナメントからなので、個人的には藤井竜王名人の奮起を期待して、来期の叡王戦もこの二人で争ってもらえたらと思います。

 ところで、十七世名人の谷川浩司さんは浄土真宗のお寺の息子さんということもあり、以前から親近感を持って応援していました。彼には兄がおり、幼少期けんかが絶えなかったと言います。喧嘩の絶えない兄弟をしずかにさせようと、ろくに将棋も知らないお父さんが、百科事典で駒の動かし方を見ながら将棋を教えたところ二人は瞬く間に強くなり、兄はアマ名人、弟は永世名人になるというとんでもない兄弟が誕生しました。

 将棋の良いところはどんなに泣きたくてもふてくされることは許されませんし、試合の終了は、駒を投げつけるものではなく、自ら駒場子に手を置いて、頭を下げ、「負けました」と言わねばなりません。

 藤井聡太竜王名人が、子供の頃伊藤匠現叡王に敗れ、大泣きしながら三位決定戦は勝ったなんてエピソードはあるものの、彼らも幼少期から、怒りや悔しさの感情コントロール、衝動制御、礼節などを将棋の先生から学んできました。

 喧嘩していた谷川さんなり、大泣きしていた藤井さんなり、内に秘めた気性は激しいことが判ります。しかし、それらをルールに則って試合を行い、礼節の中で感想戦を行うことは長年トレーニングしてきたわけです。そして、将棋は、戦っていた駒達が最後は同じ駒袋に入れられて、おやすみなさいをするわけです。

 ちょうど六本松には、佐藤天彦名人(現九段)を輩出した道場があります。なんて言いつつ私自身は、開業後一度も遊びに行けていないわけですが・・・。
 折角名人を輩出した道場が近くにあるわけですから、お子さんの衝動制御に困難を覚える場合は、将棋道場に通わせてみるのも手かもしれません。ひょっとしたら未来の谷川浩司や藤井聡太になることがあるかも・・・。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分