1178.贋作
2024.05.01
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
クラシックの世界では、有名な作曲家の作品と知られているけれど、実は本当の作者は別の人だったなんて事例は一杯あります。
結果的に誤って伝承されていたケースもあれば、作者がわざと他の作曲家の名前を用いて流布させたものなど事情は色々異なります。
誤って伝承されていたものとしては、バッハのメヌエットとして知られている作品はペツォールトのものだったと言われています。具体的にはト長調とト短調のBWV Anh 114と115でしょうか。Christian Petzold(1677-1733)はケーニヒシュタインのオルガニストだったそうです。
他の作曲家の作品として発表されたものは割と多くて、
・アルビノーニのアダージョ(レモ・ジャゾット作)
・カッチーニのアヴェマリア(ウラディーミル・ヴァヴィロフ 作)
・J.C.バッハのチェロ(ヴィオラ)協奏曲(アンリ・カサドゥシュ作)
・モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第6番(ヨハン・フリードリッヒ・エック作)
・ハイドンのおもちゃの交響曲(エトムント・アンゲラー作)
・ヴィヴァルディの忠実な羊飼い(ニコラ・シェドヴィル作)
などが知られています。
いずれも名曲として知られていますから、聞いて楽しめるなら良いものはいい、ということで良いと思います。それにしても研究者さんたちの熱意で色々明らかになるのはすごいですし、本当に作曲した人たちが再評価されることも大事なことかもしれません。