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979.大事をなす人の目標の立て方

2023.10.18

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 人間には欲求があります。
 承認欲求などもその一つで、認められたい、輪の中心にいたい、などと思うこともあるかもしれません。

 リードボーカルとして盛り上げたいとか、組織のトップにいたいとか、色んな欲求があるでしょう。
 しかし、若い内は、新米として働かざるを得ませんし、先輩も多いし、同僚も良く出来たりして、自分がすぐに輪の中心になれるかと言えば、世の中そんなに甘くはないでしょう。

 最近の話題としては将棋棋士の藤井聡太さんが、前人未踏の八冠制覇をされたことが注目されています。昨日今日も最高棋戦の竜王戦を同級生ライバルの伊藤匠七段と戦っています。

 彼がすごいと思うのは、6冠だろうが7冠だろうが一貫して、「強くなること」にしか興味がなく、タイトル戦初挑戦以後、一度も敗退していないというとんでもない記録にも何ら興味を示しておらず、八冠達成した日も、「永瀬王座にはかなり追い詰められた」とか「もっと棋力を上げなければならない」趣旨の発言を繰り返しています。羽生永世七冠についても、「永くトップで活躍されており、自分もそのようになりたい」と触れるのみで、あくまで未達のことを強調して先輩を立てることを忘れていません。
 彼の思考はとてもシンプルで、次の一手がベストの手を指す、ということだけです。

 ベストの手をさせなければ、結果勝ち上がったとしても大いに反省するのであり、次善手だったとしても大いに反省しています。

 何連勝とか勝率何割とかは、全く意識にないようです。

 大物になりたいけど社会の歯車に過ぎない、という所で鬱っぽくなってしまう人もいます。誰かに意地悪するより、鬱になる方が他責でなくて良いのかもしれませんが、実力と目標がかみ合っていないのが問題かもしれません。

 藤井竜王名人が大きな目標を全く持っていないかと言えばそうでもなく、子供の頃「名人を超す」と目標を立てたことは広く知られています。しかし、そのためには、詰め将棋を解くとか、次の一手をベストにするとか、割と小さな目標を、高い精度で行っているわけです。

 大きな結果が出せない、と嘆いている方は、まずは足元を固めて小さなことからコツコツと積み上げてご覧になってはいかがでしょう。

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