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1076.慢心

2024.01.24

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 サッカーの日本代表は先日、イラクに2-1で配線し、10連勝で止まっただけでなく、次負けると決勝のノックアウトステージに進めないというリスクまで背負う羽目になりました。勝ち上がったとしても2位通過では、韓国やイランと言った、アジアでは一筋縄ではいかない競合と当たる茨の道が待ち構えており、1位通過して決勝で韓国を叩けば良いというプランは根底から崩れたことになります。

 私はサッカーの指導者でも専門家でもありませんが、サッカーとは非常に面白いスポーツで強い方が勝つのではなく、勝った者が強いのだという論法の成り立つ集団スポーツです。

 簡単に言えば、日本選手には球際を追い詰める獰猛さが足りなかったのではないでしょうか。

 そういうメンタル面での慢心というのは非常に難しいものです。

 決勝を義務づけられるくらいの実力の代表である、ということと、楽勝に優勝出来る、ということは別なのです。

 将棋のような個人頭脳スポーツですと、羽生永世七冠にせよ、藤井竜王名人にせよ、簡単な試合などない、次の一局、次の一手に集中するのみだ、という非常に達観した見解を述べられます。サッカーの場合、集団スポーツであるがゆえにその自覚が芽生えにくいですし、そういうメンタルの引き締めや戦略的なシステムや戦術の更新を行うのが監督の指導と言うことになります。

 森保監督にも選手達の間にも、イラク戦に於いては慢心があったことは誰も否定出来ないでしょう。

 アジアに於いて簡単な国などないのはドーハの悲劇を経験した森保監督にはとうに分かっていたはずです。
 それをきちんとチェック出来なかったのは、監督が最終責任とは言え、選手、コーチ全員が認識が甘く、つまりは、慢心に陥っていたと申すべきでしょう。

 逆に言えば、裏街道は韓国やイランに苦労するかもしれませんがそれも自業自得と言うことであり、それでも優勝しなければならない、という原点に立ち返り、日本代表は息を吹き返してもらいたいものです。

 私共も、狎れた業務の端っことか、ルーティンワークの中に、どこかに慢心を潜ませていないでしょうか。

 慢心こそ、致命傷へのきっかけであり、敗北への第一歩なのです。
 準備、調査、作戦立案、当日現場のいずれに於いても萎縮はいけませんが慢心を排除し、敵チームをリスペクトし、正確な分析の上での方略を用いるべきでしょう。

 今の監督とメンバーであれば、逆境をひっくり返して、優勝にたどり着いてくれるのではないかと、個人的には期待しています。

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