ブログ

1088.医食同源

2024.02.04

1088.医食同源

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 学会のシンポジウムで、波多伴和先生から教わったのですが、割と良く通用している四文字熟語でいかにも中国がルーツっぽいのですが、実はこの言葉は世に出て50年程度で日本発なんだそうです。波多先生は須藤教授から教わったとのこと。

 元々漢方にある食薬同源という漢方の言葉があったものが、「薬」というと現代的なお薬と解釈されがちと考えて、健康を考える医学の「医」に置き換えて、医食同源としたそうです。1972年に日本人が料理番組などで使ったのが始まりと言われ、1990年代には浸透して、今では普通に知られている言葉になったようです。ちなみに私のワープロソフトATOKでは食薬同源は一発変換出来ませんでしたが、医食同源はすぐに出ました。でも中国語にすると、医食同源というのは意味をなさないんだそうです。但し、日本文化の逆輸入により、最近は中国語圏でも日本と同様の意味づけで医食同源を用いるケースもあると聞きます。

 現代では、腸内細菌の変化には食事も重要とされており、腸内細菌が宿主である人間の性格形成や行動にも影響することが知られています。自分たちが自分の性格だと思い込んでいたものが案外細菌様に支配されていることもあるようです。良い食事を摂れば腸内細菌叢も変化していきますし、腸内細菌叢が良くなれば心身も落ち着きます。自閉症の患者には4-EPSが増えるので腸内細菌の関連が疑われているとも言い、発達障害ですら腸内細菌の影響があるようです。

 腸内細菌を良くして行くにはキャベツ等の不溶性の繊維よりはわかめ、ひじき、大麦、らっきょうといったような水溶性繊維の方が望ましいとも言われ、不溶性+水溶性という意味では、人参やジャガイモも良いようです。

 性格や行動が今ひとつだなぁなんて自分のことを反省している人は、食生活から見直して頂いてはいかがでしょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分